仕事がら、美しさとはなんだろう?というようなことをときどき考える。
先日ちょっと思いついたことがあったので書き留めておくことにした。
美しさというものが、選択という行為と関係があることはたぶん確かだろう。
ものすごく美しいものというのは、ものすごくたくさんの可能性の中から選び抜かれたものという感じを与える。
でも美しいものが2つあったとき、どちらがより美しいかというのはなかなか答えが出ない問題だ。例えば一方が音楽で、もう一方が人物だったりするとかなり難しい感じがするのではないだろうか。
そんなときはおそらく、同じくらい美しい音楽(あるいは人物)がほかに存在するだろうか?と考えるだろう。そして、どちらの方がより隔絶しているかで決着をつける。
この隔絶感というのが、僕にはエベレストのような山の頂きをイメージさせる。美というのはおびただしい数の選択肢の中から選び抜かれて頂点に存在するものだ。その下には選択の過程で捨てられた可能性の裾野が広がっている。美というのはピラミッドのような構造をしており、その頂点が高ければ高いほど裾野は広大なものとなる。
ときに美が圧倒的な存在感を帯びるのは、それが喚起する広大な裾野のイメージの迫力なのかなと、そんな風な気がした。
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コッシー : 2006-05-24 13:40:09
なるほど、確かに美しさとは相対的な価値観に違いないですね。
問題は、あやまった選択により裾野に忘れ去られた美しさがなんと多いことか。個人がすべてを選択することが不可能な以上、これは選択する立場にある人間の責任かもしれません。
僕は、裾野に咲く可憐な花を見つけるのが好きだったりするので、間違いも多少は歓迎しますがね。
あ、どうも。最近、社会から隔絶気味のコッシーです。
アインシュタイン : 2006-05-24 18:57:29
美に携わる仕事をしている私たちにとっては、
いい!でも捨てねば!
というような過酷な選択は多いよね。
でもそれで研ぎ澄まされ、完成されていく。
なんて、そこまでカッコヨクはいかないけれど、
美しいものを世に送り出していきたいね。
お久しぶりです、min0ri0さん。
minorio : 2006-05-25 1:12:12
コッシー さん >
あ、どうも。たしかに、見落とされた美しいものというのは
巷にけっこうあるものですよね。
というより、美しいものはほとんどその辺に転がってるもの
の中にすでにあるような気がします。
美というのは、人がつくり出すというよりは、発見する、
見出だすという感じではないでしょうか。
たとえつくり上げたように見えたとしても、それは偶然に
生まれたものを「これだ!」と言って選び取ったに過ぎない
ような気がします。
というのも、人ははじめから美しいものがわかっていてそれ
をつくるのではなく、できてみてはじめてそれが美しいもの
だとわかるからです。
そう考えると、自分の提示した美が、自らの手で制作した
ものであるか、裾野の中から拾い出したものかというのは
どちらでも構わないような気もします。
> アインシュタイン さん
どうもお久しぶりです。
最近ぼくは、美しいものをつくり出そうとするのではなく、
普通の生活の中にある美しいものを浮き上がらせるフィルタ
のようなものをつくろうとしているのかも知れません。
自分で美を生み出そうというのは大それたことのような気も
するので、今はその辺の石を拾って眺めたりしているような
感じですが、意外と美しいものがあるような気がします。
というわけで、人が捨ておくようなものを拾ってみるのも
わりとお薦めです。