友人から録画DVDをコピーしてもらって、見逃していた番組を見ることができた。
2006年12月3日の放送だから、ちょうど2ヶ月遅れということになるが、恥ずかしながら展覧会(伊東豊雄 建築|新しいリアル 展)を見てもわからなかったことばかりで、ちょっと驚いた。これは見られてよかったと思う。
番組の内容を無理矢理ひと言でまとめると、「最近の伊東さんは、コンピューターが可能にする新時代のハイテクによって、より自然に近い建築のつくり方が可能になると考えていて、そういう建築を追究している」ということだ。
つまり、これまでのいかにもハイテクっぽいデザインは、むしろ技術的限界のためにハイテクっぽくしかつくれなかったのであり、技術がさらに進めばもっと自然なものがつくれるようになるというわけだ。
また伊東さんの最近の建築では、形をデザインする以前の、形を決定するロジックの部分を、より自然のあり方に近づけようとしている。シンプルなルールから複雑なものが発生するという自然界の造形原理に近い方法論で生み出された建築が、仙台メディアテーク以降の主要な作品群となっていることがわかる。
さらに面白いのは、そこに腕っこきの職人たちが登場することである。コンピュータを駆使した最新のデザインを現実の建物として成立させるには、卓越した人間の技が必要になるのだ。
幸いにして日本には多くの優れた職人技がある。伊東さんの最近の建築は、最高難度の職人技を注ぎ込まなければつくることができないようなものばかりだ。そうした技術を結集して世界の先端を走る建築をつくることこそ、まさに日本人がやるべき仕事だと思うし、伊東さんはそういう仕事をやっているのだと知って感動してしまった。
日本には木造建築や左官の技術をはじめ、さまざまな工芸の技など、素晴らしい職人技術がたくさんあったが、それらの多くが使われなくなり失われつつある。テクノロジーが進歩するにつれて職人技は不要になる一方ではなく、逆に再び必要とされる段階に入って来たのだとしたら面白い。
日本には、ジャパン・テクノロジーとでも言うべき職人技がまだまだたくさん埋もれていることだろう。失われてしまわないうちにそうした技術を活用するような新しいデザインパラダイムを切り開くことも、デザイナーに求められることかも知れない。
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mori : 2007-02-06 7:34:51
なるほどー
技術への影響もおもしろいですね!
槙さんか原さんがかつて伊東さんのコンペ案に「学生の案かと思った」とコメントしていました。
パッと見ると確かにそうなんですが、その頃のワクワク感を持ち続けている感じがあって、作品を見てて単純に楽しいです(^_^
きっと作る人達も新しい挑戦を楽しんでやってるんでしょうね。
(案外煩わしがってたりしてw