イタリアのプロダクト・デザイナー、グラフィック・デザイナー、絵本作家、造形作家、映像作家、彫刻家、詩人、美術教育家であるブルーノ・ムナーリ氏の著作です。なかなか素敵な本で、手元に1冊置いておきたい気分になります。
デザイナー、設計者、プロデューサー、プロジェクトリーダー、経営者など、およそ「プロジェクト」と呼ばれるものに関わるすべての人にとって、有益な示唆を得られる本ではないでしょうか。25年ほど前に著された本ですが、書かれていることは本質的で時代を超えて適用可能です。
またこの人は、子どもをどう育てれば、柔軟な感性を失わないまま大人になることができるのか、という問題に深く取り組んできた人で、子どもの教育についても随所で述べられています。彼がダネーゼ社と一緒につくったいくつかの子ども向けの本やおもちゃはとても魅力的です。
本書では、料理の作り方から建物の設計に至るまであらゆる企画行為を「プロジェクト」というひとつの枠組みでとらえます。そこには普遍的な方法論があるというわけです。この「問題への取り組み方」を知ることが重要です。
また、冒頭で「豪華さはデザインの問題ではない」と言い切っています。曰く、
豪華さは、他の人を見下したいと感じる大勢の人にとっての必需品である。他の人に教養があれば、豪華さは偽りだと知っているが、物シラズならば、豪華に暮らす人のことを褒めたり、もしかするとうらやましがったりするかもしれない。ところで、物シラズからの賛辞に関心を示すのは、いったいどんな人たちだろう?それはたぶん、愚か者だ。
豪華さとは、じつは愚かさの表われなのである。
例:金の蛇口は何の役に立つのだろう?もしこの蛇口から、汚染された水が出ていたら、同じ費用で浄水器を取り付け、蛇口は普通のままにしておく方が賢いのでは?つまり、豪華さとは、高価な素材を誤用することであり、機能を改良することではない。要するに、バカのなせる業なのである。
いいですね!Bravo!
最近は「富裕層マーケティング」なんていう言葉がもてはやされていますが、大半は豪華さをウリにしたものに過ぎません。モノを売るのが仕事の人たちはそれでいいのでしょうが、作り手としてはあくまで本質を追求すべきであり、そういうものとは一線を画していたいものだと思います。
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