『ドキュメント 戦争広告代理店―情報操作とボスニア紛争』高木 徹著

2008-10-11 : , , , : minorio : 77 views

1990年代のボスニア・ヘルツェゴビナとユーゴスラビア連邦共和国との独立戦争で、実はアメリカの PR 企業がボスニア側に雇われて世界の世論を誘導し、セルビアをならず者の国として国連追放にまで追いやったという実話です。当時のユーゴスラビア連邦大統領ミロシェビッチはその後ジェノサイドなどの非人道的な戦争犯罪の容疑で逮捕されますが、そうした戦犯のイメージさえも PR 作戦によってつくられた部分もあったということです。ミロシェビッチは国際戦犯としてオランダ・ハーグの刑務所に入れられ、5年後に独房で死んでいるのを発見されました。PR 戦争に破れた結果、致命的な汚名を着せられ悲惨な死を遂げたわけです。首都ベオグラードはその後 NATO による空爆にもさらされ、西側の支援を受けて発展したセルビアの首都サラエボとの明暗がくっきりとわかれました。

メディア戦略と PR 技術が一国の命運を左右するほどの重大な影響力を持つという事実は衝撃的です。日本の政治家は PR のセンスなど全くなさそうなので、日本の外交力にますます不安が募ってしまいますが、かなり面白いドキュメンタリーです。

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