そろそろインド旅行のまとめをしておこうと思うのだけど、たぶん1回では書ききれないので、とりあえず「その1」という題をつけてみた。
インドについては書きたいことがいろいろあるので、まずはトピックを書き出してみる。
今回は「映画のセットみたいなインドの街」について書いてみよう。
インドの街はビビッドだ。女性たちの身に付けているサリーが色鮮やかなのも確かだが、単に色彩が派手という意味ではない。なんというか、ひとり一人の人間が放っている雰囲気やパワーがとてつもなくバリエーションに富んでいて、しかも強烈なので、それがビビッドに感じられるのだ。とにかく刺激が強い。
東京に帰ってきてはじめに感じたのが「東京は静かだな」ということだった。もちろん東京は静かな街なんかではない。常に人でごった返しているし、自動車や広告看板などがひしめいて目まぐるしい。
人の多さでは東京の渋谷や新宿など、インドにもひけを取らない場所が日本にはいくらでもあるが、日本の人ごみはどこかシンとしている。色彩に例えるならモノトーンに近いとでも言おうか。彩度の低い映像のような、どこか均質な混雑ぶりなのだ。その点、インドの雑踏は粒子の一つひとつが尖がっている。
そんな風にとびきりビビッドな体験を与えてくれるインドの街だが、ふと立ち止まると映画のワンシーンに迷い込んでしまったような感覚を覚える。あらゆるものが風雨にさらされ、汚れて半ば崩れかけたような風景。それでいてギリギリのところで機能している。そんな絶妙な状態につくり込まれた舞台セットが、そのまま生きて動いている。不思議な感覚だ。ここで映画を撮れば、それだけで劇的な映像になるんじゃないかと思う。そういう意味では魅力的な情景がそこら中にあるのがインドの街なのだ。
世界中のどこよりも「旅」の感覚を味わえるのがインドだと言えるかも知れない。というより、もう他の場所では物足りなくなってしまうんじゃ・・というような中毒性がある。
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